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1日は何もないようで実は何かあって、何かあるようで実は何もない。
何もない事に意味を持たせるのは人それぞれ。
お気に入りの音楽と、
お気に入りの本。
なんでもないことを、お気に入りに変える暮らし。
そんな"とある人"の日常
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memo
思い出すこと / ジュンパ・ラヒリ
ローマの家具付きアパートの書き物机から、「ネリーナ」と署名のある詩の草稿が見つかった。インドとイギリスで幼少期を過ごし、イタリアとアメリカを行き来して暮らしていたらしい、この母・妻・娘の三役を担う女性は、ラヒリ自身にとてもよく似ていた。――イタリア語による詩とその解題からなる、もっとも自伝的な最新作。
他者に理解されることを目的としない心の声は、散文よりも詩の形に近くなる。ラヒリが古い机の奥から発見したのは、詩を書き綴ったノートだった。注釈を読み進めることで物語は展開していく。身元不明の水死体に思いを馳せる「顔の見えない」ネリーナ。曲がり角の先に待ち受ける新しい言葉に手を伸ばし、過去の宿命的な言葉を故意に喪失する。そうして、ネリーナは自分の顔を認識していく。単なるヴァース・ノベル(詩と小説の融合)ではなく、どこまで誠実に生に触れることができるかに挑んだ、生(声)への挑戦である。
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