Coffee Magazine 172 vol.8
皆様こんにちは。今回のテーマは
【 エチオピア 】についてです。
コーヒーには色んな品種があるんですけど、最も有名なコーヒーの品種であるアラビカ種の発祥地がアフリカのエチオピアであるのはご存知でしょうか。
今回はそんなコーヒーの古い歴史を持つエチオピアについてお話していきたいと思います。
今回のアルバム
Index
アラビカ種の発祥地エチオピア
エチオピア産のコーヒー
エチオピアのコーヒー文化
アラビカ種の発祥地エチオピア

所説ありますが、コーヒーが発見された有名な物語があります。
はじまりは西暦800年~900年。
ヤギ使いの少年カルディがある茂みの実を食べたヤギが元気になっている事に気付き、不思議に思って自分自身も食べてみたら元気が出てくる事に気付いたそうです。
カルディと踊るヤギの群れに1人の僧侶が出くわしました。この僧侶もこの事に興味を引かれ、その実を数粒とり、砕いて粉末にし、熱湯を加えました。恐らくはこれが人類初のコーヒーと言えるかもしれません。
この飲み物を飲んだ僧侶は元気がみなぎってくる事に気付き、すぐに修道院に戻ってこの発見を伝えました。
僧侶たちはこの発見を【 神の贈り物 】と称えました。
なぜなら、長い祈りの間もこれを飲む事でずっと起きている事が可能になったからです。
これがきっかけにコーヒーの効能が発見されたと言われています。
この出来事から世界に広まり、僕らが日常に飲めるようになった事を考えると何だかすごく胸が熱くなりますよね。
ちなみに輸入の食品等を扱っているカルディはこのヤギ使いの少年からとられています。
エチオピア産のコーヒー

多くのバイヤーやロースターを魅了してやまないエチオピアのコーヒー。
エチオピアのコーヒーは昔から“ モカ ”と呼ばれて親しまれていました。
フローラルな香りとフルーティさ、そして複雑で素晴らしい風味が特徴です。
ガツンとした特徴的な風味が好きな方は、エチオピアの事を気にいる方は多いはずです。
元々エチオピアのアビシニア高原という場所が原産地で、ここを中心に農園を構え、栽培、収穫を行っています。
アビシニア高原はとても広大で農園以外に野生のコーヒーの木も沢山あり、そちらも収穫されることがあるんですよ。
ワイン同様、コーヒーは土壌や気候の特性(テロワール)で味が大きく左右されるので、こういった野生のものを使う事でエキゾチックな味わいのコーヒーを楽しむことが出来ます。
エチオピアの有名な生産地域としてはハラー・シダモ・イエガチョフがあげられます。スペシャリティコーヒーを取り扱う店舗でこの名前を見たことがある方もいると思いますが、これは産地の名前なんです。
エチオピアのコーヒー文化

エチオピアのコーヒーの歴史は古く、今でもコーヒーを楽しむ様々な文化が存在します。
その一つがコーヒーセレモニーの【カリオモン】。
「カリ」とはコーヒーノキの葉、「オモン」は「一緒に」という意味で、一緒にコーヒーを楽しむという意味があります。
カリオモンは日本でいう所の茶道の様な位置付けで、お客様をおもてなし、女性が中心に執り行うセレモニーです。
カリオモンで使う茶器は代々受け継がれていきます。
まさにエチオピア版の嫁入り道具というわけです。
カリオモンでは松脂や乳香で香を立てながら、ジャバナというコーヒーポットを使い、煮出し式という抽出方法で合計3杯のコーヒーを振舞います。
実はこの3杯はそれぞれの飲み方、意味合いが違うことが特徴。
最初の1杯目は “ アボル ”と呼ばれます。
感謝を込めて少量を大地に注がれた後に、器に注ぎ分け、砂糖などを入れてから飲みます。
2杯目は ” トーナ ”と呼ばれ、塩を入れて飲みます。
3杯目は【 祝福 】という意味の “ バラカ ” 。迎えてくれた家族や村の幸せや無事を祈りながら飲みます。バターやカルダモン、クローブなどの香辛料を入れて飲むのが特徴。
こういった形で他者に対する感謝とおもてなしの精神をコーヒーで表していくのって本当に素敵ですよね。
今回は僕が1番好きな生産地のエチオピアについてお話しました。
まだまだ語れないぐらいエチオピアのコーヒーに関する歴史は長いので、また機会があればお話したいと思います。
コーヒーは生産国によって全く味わいも、風味も変わってきます。
自分にぴったりと思う産地が見つかると、もっともっとコーヒーが楽しくなりますよ。
好きな産地を見つかったら、是非その国の歴史を調べてみてはいかがでしょうか。
最近周りの方でコーヒーを楽しんでいる方が増えてきていてすごく嬉しく思ってます。
もしも知りたいテーマとかあればいつでもリクエストお待ちしております。
次回の配信は3/7(予定)です。次回もどうぞお楽しみに。
Coffee first. Schemes later.
まずはコーヒー。考える事は二の次。
UNSHAPE 藤色のトキ
Comments